【ROMEの休日】標準報酬月額が変わった直後から発生する傷病手当金の計算方法
「今さら聞けないけどこれってどうなの?」
「難しいケースに当たってしまったけど、どうしたらいいかわからない」
そんな労務担当者さまのお悩み・ご質問に答えていくコーナー「ROMEの休日」。
労務に関わることならなんでもOK。労務の専門家が、みなさんのお悩みにお答えいたします。
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Q.標準報酬月額が変わった直後から発生する傷病手当金の計算方法
従業員Bさんの標準報酬月額が随時改定により先月から上がりました。しかし、今月に入って病気が判明し、来週からしばらく入院する予定です。
この場合、Bさんが受け取る傷病手当金の計算には、この変更された標準報酬月額が反映されるのでしょうか?それとも、変更前の標準報酬月額が適用されるのでしょうか?
A.標準報酬月額の変動も反映した上で計算
傷病手当金は、病気やケガで働けなくなり、給与を受け取れない場合に支給される制度です。ただし、休業開始後の最初の3日間(待期期間)は支給対象外となります。その後、支給額は【支給開始日の属する月以前の12カ月間の標準報酬月額の平均 ÷30日×2/3】で算出します(健康保険法第99条)。資格取得から12カ月未満の場合は、特別な計算方法が適用されます。
ご質問のケースについて、Bさんが休業する直前に標準報酬月額が変更されている場合、傷病手当金の計算には「支給開始日の属する月以前12カ月の標準報酬月額の平均」が使われます。このため、標準報酬月額の変動もその平均値に反映される形となります。
たとえば、今年の1月~3月の賃金が増えたことで4月に標準報酬月額が上がり、その後4月中にBさんが休業し傷病手当金の支給が開始されたとします。この場合「4月以前の12カ月」が算定基準となり、1カ月分だけ新しい標準報酬月額が反映される形になります。