【ROMEの休日】出勤率の算定における代替休暇の扱いについて
「今さら聞けないけどこれってどうなの?」
「難しいケースに当たってしまったけど、どうしたらいいかわからない」
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Q.出勤率の算定における代替休暇の扱いについて
私は人事部に未経験で入社しました。
年次有給休暇の付与に必要な出勤率を計算しているところ、従業員Aさんがケガにより一定期間休職していた影響で、出勤率が8割に届くか微妙な状況です。このAさんは、休職前に時間外労働が月60時間を超えたため、代替休暇を取得したことがありました。
この代替休暇の日数について、出勤率の算定ではどのように扱えばよいのでしょうか?
A.代替休暇は全労働日には含まない
月60時間を超える法定時間外労働をした場合、使用者はその分について5割以上の割増賃金を支払う義務があります(労働基準法第37条第1項)。ただし、中小企業には令和5年4月まで猶予がありました。
この規定が適用される場合、過半数労働組合(または過半数代表者)との間で労使協定を締結することで、60時間を超えた時間外労働分の割増賃金の一部を「代替休暇」として付与することが可能です。 代替休暇として付与する時間数は、【月の法定外労働時間が60時間を超えた分×換算率】で計算します。
換算率は、割増賃金の割合に応じて設定されます。 例えば、法定通りの割増率(超過部分に50%、代替休暇部分に25%)の場合、換算率は25%になります。
なお、労働者が代替休暇を取得して終日出勤しなかった日については、年次有給休暇の算定基礎となる「全労働日」には含まれないとされています(平成21年5月29日基発0529001号)。これは、正当な手続きによって労働義務が免除された日として扱われるためです。
※次回の更新は2025年1月8日(水)です。