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【ROMEの休日】60歳未満の定年の可否

ROMEの休日

「今さら聞けないけどこれってどうなの?」
「難しいケースに当たってしまったけど、どうしたらいいかわからない」

そんな労務担当者さまのお悩み・ご質問に答えていくコーナー「ROMEの休日」。

労務に関わることならなんでもOK。労務の専門家が、みなさんのお悩みにお答えいたします。

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Q.事業の都合上、定年を55歳とすることは可能か


弊社は、建築工事を主な事業としています。この業界では高所作業や肉体労働が多く、特に安全面や身体的負担の観点から、高齢者の作業はリスクが高いと考えられています。そのため、以下のような高齢者雇用に関する方針を現在採用しています。

  • 定年は55歳とし、定年後の雇用継続は基本的に行わない。
  • ただし、会社が特別に認めた者については、1年ごとの契約で最大60歳までの雇用を可能とする。

業界の特性上やむを得ない措置であり、問題と認識しておりますがいかがでしょうか。

A.例外なく、定年を60歳未満とすることは禁止されています。

高年齢者雇用安定法では、60歳未満の定年を禁止しています。例外はありません。
また、事業者の義務として、定年を65歳未満に定めている事業主は、以下のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を講じる義務があります。

  • 65歳までの定年引き上げ
  • 定年制の廃止
  • 65歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入

    継続雇用制度の対象者は原則として「希望者全員」です。ただし、一部経過措置として来年3月まで64歳まで「希望者全員」、65歳まで労使協定で定めた「基準該当者」の雇用が認められています。

    さらに、事業主は2021年4月から次の①~⑤のいずれかの措置(高年齢者就業確保措置)を講じるよう努める必要(努力義務)があります。

    • 70歳までの定年の引上げ
    • 定年制の廃止
    • 70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入 (特殊関係事業主に加えて、他の事業主によるものを含む) 創業支援等措置(雇用によらない措置)
    • 高年齢者が希望するときは、70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
    • 高年齢者が希望するときは70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入
      a)事業主が自ら実施する社会貢献事業
      b)事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業

    なお、これに関してご相談できる行政機関は会社の所轄ハローワーク(雇用指導官)になります。

    回答者プロフィール

    小野寺 恵美子

    ある中小企業の労務実務担当を経て、現在は人事総務部長に。

    労務の実務担当として数々のピンチを乗り越えてきた小野寺さんのストーリーはこちら

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