【イベントレポート】「緊急開催!クラウド給与計算3社 オンライン年末調整セミナー」(前半)
本記事では、先日開催いたしましたセミナー「緊急開催!クラウド給与計算3社 オンライン年末調整セミナー」のレポートをお届けします。
年末調整業務を分解すると、準備、配布、回収、並び替え、チェック、従業員への催促…とやるべきことが多く、担当者の方にとっては大変な負担になっているのではないでしょうか。
前半では、クラウドシステムを導入し、ペーパーレス化するとどんな変化があるのかご紹介します。
◆紙で年末調整を行っている
◆年末調整のペーパーレス化のイメージが持てていない
◆ペーパーレス化によって、どのくらい工数が削減されるのか知りたい
◆今年こそペーパーレス年末調整に挑戦したい
上記のお悩みをお持ちの方は、ぜひご一読ください!
目次
年末調整をペーパーレス化するメリット
準備・配布
まず、準備と配布における実作業はほとんど発生しなくなります。
システム導入をご支援したある企業様は、マネーフォワードクラウド給与での年末調整についてご説明を差し上げている段階で「もう絶対にアナログに戻りたくありません!」と仰っていました。
従来であれば10月頃から他の業務と並行して準備を始めるケースが多いかと思いますが、クラウドシステムの場合はデータがきちんと揃った状態でシステムに取り込まれていれば、送信ボタンを押すだけで準備・配布作業が完了します。
回収・並べ替え
回収したものを番号順に並び替えたり、従業員への確認もまた煩雑な業務です。書類や資料を渡した・渡していない、といった問題も発生しがちで、従業員側としても面倒に感じている方は少なからずいらっしゃるでしょう。
また、複数拠点ある場合は、拠点長がきちんと書類や添付資料を回収できていないと都度電話やメールなどで確認する必要があるため、さらに工数が嵩みます。
クラウドシステムを導入していれば、管理画面で誰が「どこまで進めているか」「どこで止まっているか」などの進捗をリアルタイムで一元管理することができます。
チェック
紙面だと従業員による申告書類の書き漏れが発生しやすいですが、クラウドシステムは必須項目を入力しないと次の項目に進めないため、書き漏れを防止することができます。
また、保険料などの間違えやすい項目は自動計算になっていたり、入力する側はもちろん、管理・チェックする側も効率的に作業を行うことができます。
催促・差し戻し
不備や不足があったら修正箇所に付箋を付けて返したり、電話やメールで連絡をしたり…工数をかけても結局修正されていないことがあったりと、非効率な経験をされた方もいらっしゃるかと思います。
クラウドシステムであれば、修正依頼や差し戻しをした数日以内に提出がなければ自動で再通知が送られるなど、簡単かつストレスフリーに業務を遂行することができます。
入力・計算
せっかく紙で一生懸命きれいに書いても、その内容を各種ソフトに入力しなければなりません。その過程で、よく見ると扶養親族の姓名や年月日が間違っていたり、情報が不足しているといったことも発生するでしょう。
クラウドシステムは自動計算・各種ソフトへの自動連携ができるため、データの手入力をなくすことができます。
配布・申告
年末調整が完了したら、源泉徴収票の印刷が発生します。現物の郵送やPDFデータのメール送付などさまざまな方法で本人に届けますが、マイナンバーカードなどの重要な個人情報が含まれるため、セキュリティを強固なものにする必要があります。
また、給与支払報告書の印刷・まとめ、各市町村への配布といった業務も発生します。システムの中で電子申告をしてしまえば、ボタン一つ押すだけでデータの送付が完了します。
再発行・保管
糊で書類を貼り付けたり、表紙を作って印刷したり、紐で綴じたり…書類でスペースも結構取るだけでなく、業務としてもかなりの手間です。また、従業員の機密情報ですので、配布・申告時と同様に厳重なセキュリティ体制を敷く必要があります。
電子保管であれば、一部保険の証憑を除いてすべての書類データをクラウドサーバーなどに置いておくことができます。これによって、作業と場所の省略ができます。
これまで、各業務についてシステム化のBeforeであるアナログ状態(赤文字)、After(青文字)をご紹介してまいりました。視覚的に、業務が大幅に減るということをご理解いただけたかと思います。
士業ブロック!?
社会保険労務士・税理士の方が「そのシステムには対応していない」と仰ることもあるかもしれません。
特に給与計算・年末調整を外注していると、士業事務所指定のシステムを使う必要があるので、中々ペーパーレスが進まない(士業ブロック)が起きているということもあります。
ある導入支援先の企業様は、これを理由に外注先を変更されていました。システムと士業を切り替えてペーパーレス化を一気に進められたのですが、今から今年の年末調整に向けて外注先を変更するにはかなりタイトなスケジュールです。
ですが、仮に士業ブロックにあっても図の黄色の部分だけをペーパーレス化することが可能です。具体的なプランとしては次の3つがあります。
1.年末調整楽々フルコース!全てをペーパーレス化(自社・社労士領域:赤/税理士領域:青)
給与計算と年末調整をアウトソースしている場合、内製化処理をしてシステムを変更する場合には、こちらをおすすめします。
ペーパーレスで配布・回収し、並び替えは不要。チェックはシステム画面で完結、催促・督促・差し戻しもシステム上のメッセージ機能かメールで実施。入力・転記業務はなくなり、給与計算システムへの連携が自動化されます。
申告は電子化し、源泉徴収票の配布もペーパーレス。再発行の場合も従業員がそれぞれのアカウントからダウンロード可能なため、担当者側の業務は発生しません。
2.税額確定、源泉徴収票まで楽々コース!
こちらのコースでは、税理士の業務範囲(申告)以外をペーパーレス化します。
それまでの工程を自社で全て行っている場合や社労士の協力を得られる場合、依頼先の変更ができる場合にはこちらがおすすめです。
3.配布〜回収まで楽々コース!
こちらは、給与計算・年末調整をアウトソースしていたり、どうしても従来の方法を変えられない場合におすすめです。
システムを導入することで準備〜並び替え業務をカットし、チェックと督促だけを簡略化することもできます。外注している場合はこの部分が社内の労務担当者様の業務範囲になるかと思いますが、ここを効率化するだけでもかなりの工数が削減されます。
外部要因でできない理由はない!
この中には「システムを導入した方が良いのは分かるができない」と思われている方もいらっしゃるかもしれません。
先ほどお伝えしたように、年末調整全体は難しいとしても一部の業務のみを効率化することも可能です。また、給与計算ソフト・税務ソフト、士業が理由でペーパーレス化できない場合も、回収や収集のみをペーパーレス化することができます。
つまり、外部要因で全くできないということはないのです。
では「内部要因」についてはいかがでしょうか。
例えば「従業員に高齢者が多く、スマホやPCに不慣れなんです」といったお話を伺うこともあります。しかし、自転車・自動車…最近であればLINEだって「以前はなかったけど便利なもの」は年齢問わず普及しています。会社として「やると決めたらやる」「しっかりとレクチャーする」その覚悟を持つことが重要です。
どうしても難しい一部の方に関しては引き続き紙での対応を続けたとしても、他の対象者のペーパーレス化が進めば十分効率化が進みます。
また「会社が費用を出してくれない」といった理由を伺うこともあります。では、どこで効率化・生産性向上をするのでしょうか?
「業務効率化をしろ」「DX化をしろ」と言われている部署で、年末調整の紙ベースの作業を止めてシステムを入れるという判断ができないと、なかなか業務効率化を進めることは難しいかもしれません。
システム導入にあたり費用は発生しますが、日割り計算だとせいぜい5円程度です。上申する際の費用対効果のご参考にしていただければと思いますが、郵送費用と比較するなどして工夫を凝らしてみてください。
「忙しくて使いこなせない」「導入できない」といったお声も伺います。新しいシステムについては、できない・ご存知ないことも多いかと思います。ぜひ各ベンダーや当社のセミナーにご参加いただき、効率的に情報収集をしていただければと思います。
後半では、費用とひとの課題もクリアしたが「何から着手すれば良いのかわからない」というお悩みについてお伝えしてまいります。
おわりに
以上、本記事ではセミナーの前半部分をお伝えしてまいりました。
後編では、より具体的な内容について触れていく予定です!
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