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伊藤会計事務所×TECO Design特別対談〜クラウド活用から人材育成まで、まるっとインタビュー〜

TECO Designでは、士業事務所を対象にDX化コンサルティング、クラウドシステム活用研修サービスなどを展開しています。

創業以来、ありがたいことに多くの士業事務所様にお引き合いをいただいています。

コロナ禍以降、一気に加速したDX化にどう対応するか試行錯誤されている方が増え、また徐々に明暗が別れてきたような印象を持っています。

 

今回、クラウドシステムを活用されている伊藤会計事務所の代表 伊藤様、副代表 相良様にお話をお伺いする機会をいただきました。

クラウド活用に取り組む理由、社内の体制、組織の運営体制について、ざっくばらんに語っていただきました!

 

◆インタビュアー

 

伊藤会計事務所 所長 税理士 伊藤桜子様

2008年福岡県福岡市にて伊藤会計事務所を開業。企業の税務顧問、相続税申告、創業支援、医業開業支援等の業務を行っている。会計システムの自動化や士業の業務改善に関するセミナーに多数登壇。

株式会社エスアンドシー 代表取締役 相良 義則様

2009年福岡県福岡市にて株式会社エスアンドシーを設立。バックオフィスの業務改善コンサルティング、クラウド導入支援、経理代行を行っている。2021年創業支援の一環としてコワーキングスペースを開設した。Twitterアカウントはちら

伊藤会計事務所株式会社エスアンドシー

顧問先の100%黒字化を目指して、数値の早期化に取り組んでいる。10年前からDXによる業務改善を推進し、ペーパーレス、記帳代行業務の製販分離、クラウド会計の導入、kintoneによる業務一元管理などを実現してきた。また、社員が楽しく多様な形で働ける職場づくりのために、スーツの廃止、フレックス制度、テレワーク制度を導入。

資金調達、税務相談、経理サポート、場所の提供(コワーキングスペース)など創業期に抱える問題を解決できるサービスも提供している。

 

伊藤会計事務所 Twitterアカウント

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コワーキングスペース WORK!YAKUIN サービスサイト

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クラウド活用は、「お客様のため」の手段に過ぎない。

 

TECO Design杉野(以下、杉野):コロナ禍以降、クラウド活用に取り組む士業の方が急激に増えてきたような印象です。

とはいっても、「とりあえずやらなくては」といった意識の方も多いのかな、と。

 

一方で、伊会計事務所様はずっと以前より取り組まれていますよね。どのようなきっかけがあったのでしょうか?

 

伊藤会計事務所 相良様(以下、相良様):まず、時代の波に乗ろうとか、新しいことをして目立とうとかそういった考えは一切ありませんでした。

私たちは数字の早期化によって、顧問先の黒字化を支援することを目指しているのですが、実現するためにはクラウドシステムを使ったほうが良いだろうと。

専門家である我々が手を動かすことはもちろんですが、ツールを活用したほうが正確かつ早く業務を行うことができる場合が大いにあるなと実感しています。

 

杉野:なるほど。数字の早期化という目的のために色々と検討されて、その結果としてクラウドシステムという手段を選ばれたのですね。

 

相良様:そうです。お客様が黒字化するためには数字の早期化が必要で、そのためにはクラウドを使ったほうが良い。考えていることはシンプルで、お客様のためになるかどうかの一点です。

まあ・・・言ってしまえば、当たり前のことですよね。

 

杉野:「お客様のために」を追求していらっしゃるんですね!一方で、まだまだクラウド活用に着手できていない事務所も少なくないかと。

どのような原因があるのでしょうか。

 

伊藤会計事務所 伊藤様(以下、伊藤様):通常業務で忙しく、「クラウド活用」という新しいことに手が回らないという事務所が多いのではないかなと思います。

ですが、業務量が多い場合でも、クラウド活用によって標準化・業務の見える化・効率化を実現することができます。私どもの事務所でも、各自がスプレッドシートやExcelで思い思いに管理するのではなく、全体で決めたフォーマット・システムで管理をすることによって、初めて業務の全体像が見えてきました。今では、kintoneによる一元管理で事務所全体の業務管理を行っています。

 

その結果、業務改善が進み、新しいことにチャレンジする余裕もでてきました。ですから、今の業務を見直して効率化するためにも、クラウド活用は効果的だと思います。基本的には士業事務所のサービスは一緒ですので、うまくいっているところの仕組みを模倣するのも良いですね!

 

相良様:そもそも、私が記帳をやりたくなかった・・・というのもクラウド活用の背景にあります。

 

ずっと前から「こんなのボタン一つでできるようになれば良いのに」と思っていたんです。

それから数年経って、freeeを知って理想が現実になった!と驚きました。非効率的なことが嫌いなので、これはぜひ使ってみたいと。

 

伊藤様:本当、昔から「ボタン一つで終わるやろ!」っていつも言っていましたよね。

 

杉野:それを言いっぱなしにしないのが、また素晴らしいですよね。

 

相良様:これもまた当たり前のことなんですが、

お客様のためになるために・・・を考えると、単純作業はシステムの力で自動化してしまって、余剰時間でより専門性を活かせることをしたほうが良いですよね。

 

freee五つ星認定アドバイザー&マネーフォワードクラウドパートナー事務所認定の秘訣。

 

杉野:貴社はfreee五つ星認定アドバイザーであり、マネーフォワードクラウドパートナー事務所にも認定されていますよね。

取り組み始めた時期から考えると、かなりのスピードだと思うのですが、どうやってキャッチアップされたんでしょうか?

 

相良様:従業員への教育はもちろんですが、全員にfreee会計エキスパート合格をミッションとして持ってもらいました。

 

また、私たちは当初より創業支援をしているのですが、freeeやマネーフォワードクラウドを習得するため・従業員のスキルアップにおいては、創業フェーズの企業のご支援にアサインしたというのが効果的でしたね!

 

杉野:なるほど、システムのセットアップも会社の諸々の立ち上げも、1からの経験を積むことができるからでしょうか?

 

相良様:そうですね!創業5年未満の企業をご支援すると、会社の全体像が見えるんですよね。

顧問企業と従業員、両方の成長をリンクさせ、スキルアップと知見を得ることの両方を実現できると考えています。

 

企業様、従業員の両方が自信をつけることを重視していまして、サービス設計にもこの考えを反映しています。

従業員の習熟度が上がれば、より大規模な企業を任せ、ステップアップできるようにしています。

 

杉野:従業員の方の育成戦略と経営戦略を連動させていらっしゃるのですね。とはいえ、育成や習得でご苦労されたこともあったのではないですか?

 

伊藤様:確かに、クラウド会計ソフトの導入初期はそれなりに苦労をし、時間もかかっていました。

ですが、そういったことも想定していましたので、自分たちとしてはそれほどの苦労ではなかったなと。

勉強することの重要性を改めて理解するきっかけにもなりましたね!

 

杉野:社内では、税務・会計とクラウドについて、どのような割合で教育の時間を割いているのですか?

 

相良様:個人の習得レベルにもよりますが、まずは会計。基本的な部分を習得できたら、クラウドシステム、その後に税務の比重を上げていっています。

 

小さな成功体験を積み上げていったり、できることを増やして従業員に自身をつけていってもらえるように考えています。

あとは、本人が何をしたいかを聞いた上で、すり合わせていっていますね。

 

ゲーム感覚で楽しみながらレベルアップ!学習の習慣化と、ゲーム化。

 

杉野:個人のキャリアプランと、業務、教育内容をすり合わせているのですね。

他には、どのような教育プログラムを実施しているのでしょうか?

 

相良様:教育プログラムというほど大げさなものではないのですが、各従業員が持ち回りで毎日小規模な勉強会を実施しています。

内容は、ショートカットキーの紹介、スプレッドシートやチャットツールの使い方、消費税の課税・不課税判断・・・などと様々です。

 

時間はだいたい15~20分程度ですが、毎日短い時間でも知識を積み重ねていく習慣付けができています。

また、税務については勉強中ではあるものの、クラウドシステムについて詳しい若手従業員なんかもいまして、

freeeやマネーフォワードクラウドの使い方やTIPSシェアも積極的に実施してくれています。

 

毎日実施するものなので、重くなりすぎないように・・・準備をする側・参加する側両方に負担にならないような意識もありますね。

 

伊藤様:自分ごとにならないと、どうしても右から左に流れていってしまいますよね。

なので、実際に手を動かしてみるだとか、次回までの課題を出すだとか、「聞くだけじゃない」ようにしていることもポイントです。

 

杉野:毎日実施するとはすごいですね!

負担が無いようにと言っても、講師側も聞き手側もモチベーションを維持するのは大変だったのではないですか?

 

相良様:それが、全然!

もともと、この勉強会を全社展開する前は、ある従業員が毎日講師として勉強会を開いてくれていたんです。

 

毎日勉強すること、知識を習得することが既に習慣づいていて、お手本としてその従業員がいてくれたのは大きいですね。

 

伊藤様:それから、ゲーム感覚で楽しんでもらえるようにと工夫をしています。

例えば、タイピングのテストを実施したのですが、ランク付けして商品を出したり。優秀者の方には、高級牛肉セットを贈呈しました。

 

杉野:それは張り合いが出ますね。

勉強熱心な従業員が多くいらっしゃる、ということでもあるのでしょうか?

 

相良様:そうですね、コツコツ勉強をする・情報収集をするー当たり前のことと思われるかもしれませんが、それを厭わずに前向きに取り組むことのできる従業員ばかりです。

WORK!YAKUINというシェアオフィス・社会人向け学習室を運営しているのですが、利用している社員の姿をよく見かけます。

 

伊藤様:私たち士業事務所にとっては、知識の習得はとても重要なことです。だからこそ、勉強時間も業務時間にカウントしているんです。

 

歴史ある業界ですから、気合と根性論と言いますか・・・「自分でやれ」「やって当たり前」という風潮もありますが、勉強した結果業務効率が上がればそこにかけた工数なんてあっという間に回収できますよね。

 

杉野:TECO Designも同じように、勉強時間を業務時間内にカウントしています。

私たちの勉強は、商社やメーカーで言うところの「仕入れ」と同じだと思います。それを業務時間外の個人の行動に依存するというのは、危険ですよね。

 

 ひとを大事に。従業員ファーストで、みんなが楽しく働くことのできる事務所へ!

 

杉野:お話を伺っていると、社内外のひとを大事にする社風なのかなという印象を受けました。

お客様のために、従業員のために、と何度か仰っていましたよね。

 

相良様:そうですね、まだまだ規模も小さい会社ですし、社員のことは家族のように思っています。

 

お客様に対しても、業績アップのために何ができるかということを、日々追求しています。業界内で目立とうとか、もっとお客様を獲得しようとか、そういった事は考えていないんです。

当たり前にやるべきことを、当たり前にコツコツとやっていく。

 

伊藤様:コツコツ、地道にやってきましたよね。

なので中々バズらないと言いますか、注目度が上がっていかないなとも思っていますが。

 

杉野:当たり前のことを当たり前に、ということも今日何度か伺いましたが、それをやり続ける・やりきるのは並大抵のことではないと思います!

現在、伊藤会計事務所様では採用活動をされていますが、どのような方を採用しているのでしょうか。

※採用情報はこちら

 

相良様:先ほどの話と重複しますが、社員のことは家族のように思っています。

なので、スキルやご経験のみでなく、社風や文化、方向性に合った方かどうかを重視しています。

 

というのも、そこがマッチしていないと、いくら仕事ができる方でも結局退職されてしまうんですよね。

そうなるとお互い不幸ですよね・・・ただただ、悲しいなと。

せっかく入社いただいたのなら、なるべく長く、そして楽しく一緒に働きたいと考えています。

 

伊藤様:私たちの事務所って、規模がいまよりもずっと小さい頃から、毎年1〜2人は産休・育休を取得しているんです。

復帰してからは以前と変わらずバリバリ働いてくれているのですが、長い期間一緒に働くことを前提としたら、産休・育休中や育児との両立について会社がサポートすることって全く負担にならないんです。

 

配偶者の方が転勤し、それに帯同することになった従業員がいるのですが、彼女はいまリモートワークで活躍してくれています。

コロナ禍以前でリモートワークは一般的ではありませんでしたが、本人の強い希望があり、私たちとしてもぜひ!と。

 

杉野:ライフステージに合わせた働き方もできるのですね。

 

相良様:はい、他にも「最初はパートで慣れていって、そのあと正社員になりたい」などの要望にもできる限り応えていっています。

 

フレックスタイム制度も導入しまして、朝早く出社して夕方15時位に退社する従業員がいたりと、私生活や家庭との両立ができる環境も整えています。

いずれ週休三日制も導入したいな、と考えています。

 

杉野:すごいですね!そういった取り組みの狙いはなんでしょうか。

 

伊藤様:狙いと言いますか、シンプルに「楽しく長く働いて欲しい」「そうなったら嬉しい」と思っているからです。

これも、別に話題になりたいとか、流行りに乗りたいとかっていうことは全く考えて無くて。

 

従業員たちが、いつでも好きなように・好きな期間有給休暇を使えて、ライフステージが変わっても、長く楽しく働けることが目指すところです。

活き活きと働いている姿を見ると、嬉しくなるんです。やって良かったなと思うし、もっともっと・・・とも。

 

相良様:もちろん簡単なことではありませんが、フレックスタイム制度だって導入できたし、やってやれないことはありません。

むしろ、挑戦することがあると燃えますね。

 

今後も、当たり前のことを当たり前に。

 

杉野:お話を伺っている私も楽しくなってきました!最後に、今後の展望や取り組みについてお教えください。

 

伊藤様:コロナ禍によって、世の中が一気に変化しました。それは士業事務所やお客様である企業様の経営環境も同じです。

これまでと同じやり方、考え方、そして業務設計では取り残されてしまうだろうと考えています。「当たり前」「過去のやり方、実績」を疑わないといけないのかな、と。

 

コロナ禍があっても、業績を伸ばしているところはありますよね。

具体的な取り組みを始めているところ、そうじゃないところに差が出てきているのだとも思います。

 

とはいっても、根本を変えるつもりはありません。

顧問先が黒字化するために何ができるのか、数字を早期化するために何に取り組むのかー当たり前のことにコツコツと取り組み続けていきます。

 

相良様:それから、先ほどお話した従業員が楽しく働くことのできる環境づくりへの取り組みですね。

 

事務所全体としては、規模拡大・成長に一定の基準を設けているんです。

というのは、急成長するとその分従業員が大変になりますから。現在、積極的に採用活動をしていますが、組織と事業のバランスを取りながら成長したいですね!

 

杉野:ありがとうございました!

 

・・・

 

以上、伊藤会計事務所の伊藤様・相良様インタビューをお届けしました。

 

実は、本文には10回以上「当たり前」が使われています!

 

「当たり前のことなんです」という表現は謙遜の意もあるかと思いますが、クラウドシステム・DXなどなどとバズワードや日々の忙しさに紛らわされずに、やるべきことをやり続けることは簡単なことではありません。

 

そして、インタビュー実施前はクラウドシステム活用を中心に、と考えていたのですが、思いがけず人材育成や組織づくりについてもお話しくださたったお二人。

前向きで明るいお二人とお話することはとても楽しく、あっと言う間に時間が経ってしまいました。

 

本文中にも記載しましたが、伊藤会計事務所様では採用活動をされています。

説明会の日程など公開されていますのでこちらの採用サイトひご覧ください。

 

また、本記事でご紹介しきれなかった内容を後日公開します。そちらも、併せてご覧ください。

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