【ROMEの休日】年5日分以上の時間休を取得することは可能か
「今さら聞けないけどこれってどうなの?」
「難しいケースに当たってしまったけど、どうしたらいいかわからない」
そんな労務担当者さまのお悩み・ご質問に答えていくコーナー「ROMEの休日」。
労務に関わることならなんでもOK。労務の専門家が、みなさんのお悩みにお答えいたします。
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Q.年5日分以上の時間休を取得することは可能か
会社で時間単位の年次有給休暇を取得できる制度が導入されると聞きました。
労働基準法では時間単位で取得できるのは年5日分までとされていますが、それを超えて時間単位で休暇を取ることも可能でしょうか?
また、その場合何か問題はないでしょうか?
A.独自に付与された法定外年休においては、上限に縛られず時間単位での取得が可能
時間単位の年次有給休暇については、労使協定を締結することで運用が可能です。この労使協定には、以下の事項を定める必要があります(労働基準法第39条第4項、労働基準則第24条の4)。
- 対象となる労働者の範囲
- 時間単位で取得できる日数(最大5日まで)
- 1日の時間数
- 1時間以外の時間を単位とする場合はその時間数
ただし、時間単位で取得できる日数は法定年休の範囲内で年5日までに限られています。この上限は、年次有給休暇の「まとまった日数の休暇を確保する」という本来の趣旨を考慮したものです。
なお、この5日には次年度へ繰り越された年休も含まれる点にご注意ください(労基法コンメンタールより)。
一方で、会社が法定年休とは別で独自に付与している「法定外年休」については、この上限に縛られず、時間単位での取得を認めることが可能です(厚生労働省 平成21年10月5日「改正労働基準法に係る質疑応答」)。
制度を導入する際は、労使協定や就業規則で内容を明確に定め、従業員に正確に説明することが重要です。また、管理方法もあらかじめ整備しておくとスムーズです。