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年次有給休暇の取り扱いのキホン!

【年次有給休暇の取り扱いのキホン】

会社員なら誰もが楽しみにしている年次有給休暇。

人事労務担当になったら、「仕事を休める日」であることのほかに、押さえておくべき基本事項がいくつかあります。

この記事では、年次有給休暇(以下、年休)の基本的な取り扱いや各種制度、年休管理において気をつけたいことについて紹介します。

 

目次

1.年次有給休暇は1日単位がキホン

2.年次有給休暇取得は強い権利

3.年次有給休暇取得日の賃金

4.年次有給休暇の時季指定義務

5.年休の取り扱いで気をつけるべきこと

 

 

1.年次有給休暇は1日単位がキホン

半日単位や時間単位の年休制度を採用している会社もあると思いますが、本来の年休は、1日単位がキホンです。

なぜなら、労働日が午前0時から午後12時までの暦日を単位としており、その労働日の労働義務を免除した日が年休に該当するからです。

年休の趣旨は、しっかりと休むことで心身の疲労を回復することにあるため、1暦日の休みを取ることが元々のかたちとなります。

その後、年休の取得率を上昇させることや制度の利便性を向上させるために計画的付与(※)や時間単位年休の制度ができるに至りました。

※年休の計画的付与とは、年に5日を超える年休について労使協定により計画的に取得させる仕組みのことをいいます。

 

2.年次有給休暇取得は強い権利

従業員が年休を取得するときには申請・承認のフローを必要とすることが一般的かと思います。

ただし、これはあくまで「申請」と「承認」であって、「請求」や「許可」ではありません。

つまり、従業員が請求することによって初めて年休の取得権が発生したり、上司が許可しなければ年休を取得できなかったりするわけではないのです。

年休を取得する権利は、従業員が6ヶ月以上継続勤務した上で全労働日の8割以上出勤した際に「当然に発生するもの」です。

さらに、基本的には、従業員が請求した時季に年休を取得させる必要があります。例外として、「事業の正常な運営を妨げる場合」には、会社が時季変更権を行使することが可能、という立て付けになっています。「事業の正常な運営を妨げる場合」とは、その従業員の担当業務において相当な量の業務が発生しており、かつ、代替要員を確保することが困難な場合を指します。

また、基本的には従業員が請求した時季に年休を取得させる必要があるとはいっても、就業規則等において「○日前までに申請の手続きを行うこと」などと規定することは、当該規定が合理的な内容であれば問題ありません。

 

3.年次有給休暇取得日の賃金

従業員が年休を取得した日については、お給料をいくら支払えばよいのでしょうか。

年休取得日の賃金については、会社が自由に決めてよいのではなく、労働基準法にルールが定められています。

ルールの内容としては、以下3つのいずれかを選択して就業規則等に記載しておかなければならない、というものです。

 ・平均賃金(※)

 ・所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金

 ・標準報酬日額(労使協定が必要)

時間単位年休の場合は、上記3ついずれかの額を、その日の所定労働時間数で除した金額となります。

自社でいずれの支払い方法を選択しているかは、就業規則を確認してみてください。

※平均賃金とは、算定事由発生日(賃金締切日がある場合は直前の賃金締切日)以前の3ヶ月間における賃金の総額をその期間の総日数で除して算出する金額のことをいいます。

 

4.年次有給休暇の時季指定義務

上記の通り、年休の取得時季については、原則的には従業員が決められることになります。

しかしながら、働き方改革の一環で、さらに年休取得率を上昇させるため、年休の「時季指定義務」という制度が新設されました。年休の時季指定義務とは、年10日以上の年休を付与される従業員に対して、年休のうち5日については会社が時季を指定して取得させるというものです。

時季指定により取得させなければならない5日からは、従業員が自ら取得した年休(半日単位を含む)や計画的付与により取得させた年休を控除することができます。ただし、時間単位年休については、この5日に含めることができません。

つまり、本制度新設の趣旨は、従業員の自主的な取得・計画的付与・時季指定義務を合わせて、年5日は確実に年休を取得させることにあります。

 

5.年休の取り扱いで気をつけるべきこと

年休の取り扱いに関してよく聞かれるご質問を踏まえ、管理上気をつけるべきことを以下に5つ紹介します。

 ・取得理由を聞いてはいけない

 ・欠勤と年休の振り替えは合意があればよい

 ・手当の支給有無は就業規則を確認しよう

 ・時季変更権の行使は極めて稀なケース

 ・退職時の年休買い上げは可能

 

<取得理由を聞いてはいけない>

年休をどのように利用するかは、従業員の自由です。一日中寝ていようが、ゲームの発売日に並んでいようが、遠出をしていようが、会社が干渉できることではないのです。

申請フローにおいて取得理由に「私用のため」と抽象的に書かれていたとしても、「具体的に書かなければ認めない」「取得理由によっては承認しない」という運用にすることはできません。

ただし、「事業の正常な運営を妨げる場合」に、取得時季を調整することを目的として年休取得の目的を聞くことは問題ありません。

 

<欠勤と年休の振り替えは合意があればよい>

急に欠勤した従業員が「欠勤日を年休に振り替えて欲しい」という要望があったときには、応じなければならないのでしょうか。

この場合、必ず応じなければならない義務はありません。欠勤日と年休の振り替えの申し出に対しては、会社側が合意するかどうかを決めることができます。

なお、就業規則等に「年休は○日前に申請すること」と規定したとしても、法的には年休取得日の前日23時59分までの申請は認める必要があります。

なぜなら、年休の単位は1暦日であり、事前の申請は原則として認めなければならないからです。

 

<手当の支給有無は就業規則を確認しよう>

年休取得日における通勤手当や固定残業手当の支給の有無についてはどうでしょうか。

年休取得日の賃金について、「所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金」を選択した場合、こうした疑問が生じます。

 

一般的には、通勤手当も固定残業代も年休取得日については控除しません。ただし、新型コロナウイルスの流行により在宅勤務が普及した現在では、通勤手当を実費精算にした会社も多いかもしれません。その場合は、就業規則等に「通勤手当は、実際に出勤した日についてのみ支給する」などと規定しておきましょう。

 

<時季変更権の行使は極めて稀なケース>

労働基準法には、「事業の正常な運営を妨げる場合」には例外的に時季変更権を行使できると定められていますが、実際にこの権利を行使できるのは極めて稀なケースです。

ポイントは、代替要員を確保する努力をしたかどうかです。具体的には、勤務割変更の方法・実情、年休申請に対する従前の対応の仕方、当該従業員の作業内容・性質、補充人員の作業の繁閑、

年休申請の時期、週休制の運用の仕方などをもって、代替要員の確保が可能であったかどうかが判断されます(電電公社関東電気通信局事件 最三小判 平元・7・4)。

実務上は一方的に時季変更権を行使するのではなく、話し合いによって時季を調整することが原則です。

 

<退職時の年休買い上げは可能>

年休の趣旨は、しっかりと休むことで心身の疲労を回復することにあります。そのため、仮に従業員が希望したとしても、年休を買い上げることは違法です。

ただし、従業員が退職するとき、結果的に未消化になった年休を買い上げることは違法ではありません。

 

こちらのYouTube動画でも分かりやすく説明しております▼

 

 

 

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