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【第3回目】労働条件通知書の書き方が分からない!?必要な情報と書類の作成方法を徹底解説!|クラウドステーションのBLOG|人事労務 関連SaaSを体験できる「CLOUD STATION」

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【第3回目】労働条件通知書の書き方が分からない!?必要な情報と書類の作成方法を徹底解説!

 

社会保険労務士による労務解説記事が毎月2回!(第1水曜日と第3水曜日)にUPされます。

さて第3回目は社会保険労務士寺島先生(寺島戦略社会保険労務士事務所代表)による解説です。

今回は従業員を雇う場合にはどこの企業でも策定することになる、

「労働条件通知書」に記載が必要な情報や、書類の作成方法を社会保険労務士が解説します!

 

はじめに

従業員を採用するときには、労働基準法で労働条件を明示することが義務付けられています。

その中でも原則書面で交付しなければならないとされる事項が定められており、一般的には「労働条件通知書」という書類を策定することになります。

 

今回は従業員を雇う場合にはどこの企業でも策定することになる、この「労働条件通知書」に記載が必要な情報や、書類の作成方法を社会保険労務士が解説します!

 

労働条件通知書とは 

冒頭に記載のとおり、労働条件通知書とは労働基準法において従業員(労働者)を雇用する際には策定が必要となる「従業員の労働条件を明らかにするための書類」です。

 

企業によっては、労働条件通知書ではなく「雇用契約書」として労働条件の明示を兼ねている場合もありますし、「労働条件通知書兼雇用契約書」として一本化している企業もあります。

労働基準法上は労働条件を明示するということが義務付けられているのみですので、書面としては企業からの一方的な通知で問題なく、契約形態として従業員の署名欄等がなくとも問題にはなりません。とはいえ、労務実務としては、従業員にこの労働条件で納得してもらった・・・という合意形成や事後の労務トラブルを避けるという観点で署名・捺印等をいただく形式をとっている企業は多いです。

 

労働条件通知書を策定しない場合どうなる?

労働条件通知書を策定せず、労働条件の明示をしなかった場合は、労働基準法違反で30万円以下の罰金の対象となります。とはいえ実務上、すぐさま罰金が科されるということは稀ではありますが、労働基準監督署等の調査があれば労働基準法違反で是正勧告の対象となりますし、なにより法律上の大きい義務ですので必ず策定しましょう。、

 

労働条件通知書に必要な情報

では、実際に労働条件通知書を策定するにあたり明示が必要な事項はどういったものがあるのでしょうか

労働基準法では労働契約を締結する際に以下の事項を明示しなければならないと規定されています。

 

(なお、下図に記載のように、口頭の明示でも良いとされている労働条件もありますが、実務上は労務トラブル防止のために、書面明示義務があるものと合わせて書面明示していることがほとんどです。)

 

書面の交付による明示事項 口頭の明示でもよい事項
①労働契約の期間 ①昇給に関する事項
②就業の場所・従事する業務の内容 ②退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算・支払いの方法、支払いの時期に関する事項
③始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交代制勤務をさせる場合は就業時転換に関する事項 ③臨時に支払われる賃金・賞与などに関する事項
④賃金の決定・計算・支払いの方法、賃金の締め切り・支払いの時期に関する事項 ④労働者に負担させる食費・作業用品その他に関する事項
⑤退職に関する事項(解雇の事由を含む) ⑤安全衛生に関する事項
⑥職業訓練に関する事項
⑦災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項
⑧表彰、制裁に関する事項
⑨休職に関する事項

 

この労働条件の書面明示義務ですが、労働者が希望した場合に、出力できるものであれば、2020年の4月からは電子メールやクラウド上での明示が可能となっています。

そのため電子契約媒体で行っている企業も多いかと思いますし、PDF等のデータのみお送りしている企業もあるかもしれません。

 

なおややこしいのですが、労働基準法による明示事項に加えて、パートタイム・有期雇用労働法という法律において、パートタイマー等を雇い入れたときに文書の交付などにより明示することが義務付けられている事項があります。「雇い入れたとき」とは、初めて雇い入れたときだけでなく、労働契約の更新時も含みますので注意しましょう。

 

パートタイム・有期雇用労働者に明示することが義務づけられている項目は以下のとおりです。

ア 昇給の有無

イ 賞与の有無

ウ 退職金の有無

エ 雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口

 

これらのア~ウは、上記の表の労基法上の労働条件通知書の明示事項のうち「口頭での明示でいい事項のうちの①~③に該当するものとなっているため、結局、実務上は口頭明示でいい事項の①~③も含めて正社員(正社員の場合にはパートタイム・有期雇用労働法上の明示義務の対象には原則ならないものの、漏れがないように正社員・有期雇用双方のフォーマットにあらかじめ入れ込んでおくことが多い。)・有期雇用双方の場合もまとめてあらかじめ労働条件通知書内に書面で明示するほうが、法律上必要な明示事項の漏れがない対応と言えます。

 

また、意外と多くの企業で知られていないのですが、パートタイム・有期雇用労働法上、パートタイム・有期雇用労働者の雇い入れ時と問い合わせがあった時に下記の内容を説明する義務があるとされています。

【説明義務が課される事項 】

・不合理な待遇の禁止 

・待遇の差別的取扱い禁止

・賃金の決定方法

・教育訓練の実施

・福利厚生施設の利用

・通常の労働者への転換を推進するための措置

 

そのため、こうした説明義務の履行を忘れないという意味で、労働条件通知書内にあらかじめ下記のように入れ込んでおくことをおすすめしています。

そうすればパートタイム・有期雇用労働法上の義務の対応漏れの発生を防ぐことができます。

 

おわりに

労働基準法はじめ労働契約に関する関係法令を遵守しつつ、労務トラブル防止の観点から、労働条件通知書に必要な事項を過不足なく記載しましょう。また、令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます。厚生労働省から改正内容のリーフレットやモデル労働条件通知書が示されていますので、あわせて確認しておきましょう。

 

 

 

【執筆プロフィール

寺島有紀
寺島戦略社会保険労務士事務所所長社会保険労務士。

橋大学商学部卒業。
新卒楽天株式会社に、社内規程策定、内・会社等ライ・適用などの内部統制業や社内ライアンス等に従事。                            在職に社会保険務士国家試験に合格後、社会保険務士所に勤務し、チャー・中小企業から一上場業まで内労働法改正対応業の労アドバイザリー等に従事。
在は、社会保険務士としてチャ業のIPO 務コライアンス対応から業の出労務体構築等、内・両面から幅広く人事労務コティを行っている。


HPhttps://www.terashima-sr.com/
2020 9 15 日、「IPOをめ業のしかた・経のポイン
トいばん最む本」(アニモ)が発されました。
https://www.amazon.co.jp/dp/4897952417/
ref=cm_sw_em_r_mt_dp_TQ0xFb39THS7W
その他:
2020 7 3 日に「Q&A でわかるテレワの労・法・情
セキュリティ」が発されました。代表寺島1 パートをしています。
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4297114488/gihyojp-22

2019年4月に、「これだけは知っておきたい!スタートアップ・ベンチャー企業の労務管理――初めての従業員雇用からIPO準備期の労務コンプライアンスまでこの一冊でやさしく理解できる!」を上梓。

 

寺島戦略社会保険労務士事務所(社労士STATIONページはこちら)

 


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