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【解説】雇用動向調査〜9年ぶりに〇〇が超過!〜

以前、厚生労働省発表の統計白書「雇用均等調査」についての解説記事を公開しました。

本記事では、2021年8月に発表された「雇用動向調査」の内容をご紹介します!

 

【雇用動向調査とは】雇用動向調査とは、「国内の主要な産業へ就職している状況や、従事していた労働者が離職している状況を調査し、労働力の動向や求人に関する状況を明らかにするもの」です。

調査対象の期間中における、主要産業の入退社の状況や、その理由などを調査したもので、年に2回実施されています。

 

参考情報:雇用動向調査|厚生労働省

 

こちらの調査では、日雇いではない常用労働者に関する質問、入職者※・離職者についての質問があり、入職・離職等の状況と離職理由別の状況についての結果がまとめられています。性別、雇用形態による違いや、人生の分岐点になり得る結婚・出産などが理由での離職者がどれだけいるのかなどといった調査結果を見ることができます。

 

※「入職者」 調査の対象である期間内に新しく採用された常用労働者のこと

性別やパート・正社員などでどのように違うのかや人生の分岐点になりえる結婚や出産が理由でやめる方はどれだけいるのかなどが調査結果として細かく出ています。

 

調査期間内の入職・離職等の状況

 

調査期間内の入職者数は「約710万3,000人」、離職者数は「約727万2,000人」でした。

また、年初における常用労働者に対する入職者数・離職者数の割合は、入職率13.9%・離職率14.2%という結果もありました。

 

入職率:13.9%と、離職率:14.2%との差は「マイナス0.3ポイント」となり、離職超過状態であることがわかりますが。この「離職超過」状態となるのは実に9年ぶりのことです。

 

9年前ー2012年ーの離職超過においては、兆候は2008年のリーマンショック後からあったように思われます。その後は雇用情勢が改善されていましたが、新型コロナウイルス流行による実店舗を運営する企業の休業や、様々な業界が打撃を受けたことによって、離職を余儀なくされたり、異なる業界への転職活動をされたりする方が増えたのかもしれません。

 

性別、雇用形態

 

性別の内訳では、男性は入職率12.2%、離職率12.8%、女性は入職率・離職率ともに15.9%でした。雇用形態では、一般労働者は入職率・離職率ともに10.7%、パートタイム労働者は入職率22.2%、離職率23.2%でした。

 

性別では男性が、雇用形態ではパートタイム労働者が離職超過になっています。

 

更に詳細をご紹介しますと、雇用形態別の一般労働者・パートタイム労働者の中でも、期間の定めがある「有期雇用」と期間の定めがない「無期雇用」に分かれて集計されています。

 

入職者数のうち、一般労働者かつ「無期雇用」が 294万3,000人、「有期雇用」が 97万1,000人。パートタイム労働者では、「無期雇用」が 128万4,000人、「有期雇用」が 190万4,000人でした。また、離職者数のうち、一般労働者の「無期雇用」が 289万7,000人、「有期雇用」が 103万人。パートタイム労働者では、「無期雇用」が 108万1,000人で、「勇気雇用」が 226万1,000人でした。

一般労働者かつ有期雇用、パートタイム労働者かつ有期雇用において、離職超過状態になっています。

 

前年比では、いずれの属性においても入職者数、離職者数ともに減少傾向にあります。コロナ禍においては、ステップアップで転職しようと考える方、また新たに人を雇用しようと考える企業が減少傾向にあるように思います。

 

職歴の違い(転職者、未就業入職者)

 

次いで、転職者と未就業入職者を比較してみましょう。「未就業入職者」とは、入職前一年間に就業していなかった方を指し、新卒入社もこちらに該当します。

 

期間中の入職者数「約710万3千人」の内訳を見ますと、転職者数が469万2,000人で、未就業入職者数が241万1,000人でした。また、未就業入職者数のうち、新卒は 132万3,000人です。未就業入職率は、ここ十数年で最も低いパーセンテージでした。

 

新型コロナウイルスの影響が大きいように思えますが、近年の動きとは全く異なる動向になっているようです。報道では、特に飲食業、ホテル・旅館などの観光業、サービス業への打撃が大きいとよく見聞きしますが、調査結果にはどう現れているのでしょうか。

 

業界別

 

業界別の調査結果では、入職者数トップは宿泊業・飲食サービス業で、2位は卸・小売業、3位は医療・福祉でした。離職者数の順位も同じ結果でした。

 

コロナ禍による打撃が大きいと言われている業界である「宿泊業」「飲食サービス」「小売業」が入職者数トップ3に入っていますが、離職者数もその分多い数となっていました。

宿泊・飲食サービスの入職者数は122万7,000人、離職者数125万8,000人で、卸・小売業に関しても離職者数の方が多い(離職超過)状態となっています。

 

前年比では、入職・離職数の増減幅ともに1位は宿泊・飲食サービス、2位は卸・小売業でした。また、どちらも入職者数が大きく減少しています。

雇用調整助成金があるため、離職者は前年比ではあまり増えず、宿泊・飲食サービス業・卸小売業が新たに雇用することを控えたため入職者数が大幅に減ったのではないでしょうか。

 

性別、年齢×入職・離職

 

次は、性別と年齢を絡めて見た時の入職・離職状況を見ていきます。

新卒採用(24歳以下)の入職率は70%と最も高く、他の年齢層では入職率・離職率は男女ともにほぼ同じか、もしくは年齢が上がるほどに離職率の方が高くなっていました。また、20歳代後半〜30歳代前半に関しては、結婚・出産・育児をする方が増える年齢層であることが関係してか、男性の入職率・離職率の差よりも女性の方が差分が大きくなり、離職率が上回っています。

 

また、性別・年齢ごとに入職者においてパートタイムの方がどれだけいるのかも見ていきましょう。

女性に関しては、25歳~29歳以降では年齢に比例してパートタイム労働者の割合が上がり、男性では60歳近くまでパートタイム労働者の割当は1割程度で、その後急激に割合が上がるという特徴が見られました。

ここでもやはり、20代後半ー結婚・出産・育児をする方が増える時期に変化が見られ、ライフスタイルの変化が働き方に大きな影響を与えているように思われます。

 

転職者

 

次いで、「転職者」に焦点を当てて見ていきます。

 

年齢・性別で比べた場合、多くの年齢層において男性よりも女性の方が、「転職入職率が高い」という結果になりました。パートタイム労働者は、一般労働者と比較して転職する機会が多いため、女性の転職入職率が高くなったように思えます※。

※先述のように、女性の方がパートタイム労働者が多いため

 

転職した理由では、2位・3位に性別による違いが見られました。

男性の場合には、2位が定年、3位が収入の少なさであることに対し、女性の場合は2位が人間関係で、3位が定年でした。

前年比では、男性では収入が少ないという理由、女性は会社都合という理由が増えています。会社都合の退職が発生すると、様々な助成金に影響するため、こちらの結果には驚きました。

 

また、男性では収入の少なさを理由に転職をしている方が多いようですが、実際には転職後の給与は「減った」と回答した方の割合のほうが高くなっていました。

 

転職×離職理由

 

最後に、転職者に絞って離職理由について見ていきましょう。

 

「個人的理由」(「結婚」「出産・育児」「介護・看護」及び「その他の個人的理由」の合計)によるものは全体の10.1%で、前年と比べると、1.4 ポイント低下しています。また、「事業所側の理由」(「経営上の都合」「出向」及び「出向元への復帰」の合計) によるものは 1.1%で、前年と同じでした。

男女別では、女性は事業所側の理由による転職が0.3ポイント上昇していると言う特徴がありました。

 

また、「結婚・出産・育児」による離職について上述しましたが、こちらについての年齢別の違いをご紹介します。結婚が理由の離職は25-29歳、出産育児では30-34歳が最も多くなっていました。

 

介護理由の離職に関しては、パートタイム労働者かつ60-64歳に関しては、男女共に他の年齢・雇用形態に比べて割合が高くなっています。男性に関しては、一般労働はかつ65歳以上においても、高い割合でした。

 

以上、雇用動向調査の内容についてご紹介しました。

今回のポイントは、「9年ぶりの離職超過」です。結果を見ますと、離職が非常に増えているというより、新しく人を雇うということができなくなっている企業が増えたという印象を受けました。

 

本記事の内容を動画でもご紹介しておりますので、ぜひ併せてご覧ください。

 

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