MENU

【研究】歩合給の計算方法とクラウド給与計算システム各社で実施する設定|クラウドステーションのBLOG|人事労務 関連SaaSを体験できる「CLOUD STATION」

BLOG

ブログ

【研究】歩合給の計算方法とクラウド給与計算システム各社で実施する設定

本記事では「歩合給」の取り扱いと、それをクラウド給与計算システムで実現するための詳しい方法をご紹介します。

 

歩合給とは

 

営業部門の活性化のためなどの目的で導入されることの多い「歩合給」。努力次第で給与を増やすことができますので、従業員本人のモチベーションアップに有効です。基本給はなく、受け取れるのは歩合給のみといった完全歩合給の会社もあれば、基本給にプラスする手当部分に歩合を取り入れている会社もあります。実際に私たちが導入支援するにあたり多く見かけるのは後者です。

 

また、中身も様々です。個人やチーム全体の目標を達成することでもらえるものもありますし、実績1件ごとに○○円を支給すると決められているような仕組みもあります。「営業インセンティブ」「報奨金」「業績給」「出来高給」…様々な呼称がありますが、ここではまとめて「歩合給」と呼ぶことにしましょう。

要するに一定の要件によりもらえる金額が変動する手当、と考えてください。

 

歩合給の取り扱い

 

実は歩合給も、割増賃金基礎の対象です。

割増賃金に入れなくてよい手当というのは法律で限定的に列挙されていますので、そこに記載がない歩合給というのは割増基礎に算入しなければならないのです。

貴社の「歩合給」の割増賃金の計算はどのようになっていますか?きちんと計算されてますでしょうか?

 

参考情報:割増賃金の基礎となる賃金とは?/厚生労働省

 

当社がクラウド給与計算システムの導入支援をする際にこれまでの取り扱いを精査すると、高確率で抜け落ちています。

ご指摘後に、「クラウド化を機に法定通りの設定にします」と決断されるケースも多くあります。クラウド化は長らく気にも留めなかった給与計算のとても細かな部分を見直す良いきっかけになるなと感じています。他にも、旧来の給与ソフトに項目数に制限があることで、やむなく「その他手当」にまとめてしまっていたような、一見不明瞭な手当の見直しも多く見受けられます。

 

歩合給の割増賃金 計算方法

 

さて、割増賃金の基礎単価はどのように計算するのが正しいのでしょうか。完全歩合給であれば分かりやすいのですが、困るのは手当の一部が歩合の場合です。具体例で見てみましょう。

 

(例)この月の残業代はいくらになるか?

固定給与 17万円

歩合手当 3万円

月平均所定労働時間 170時間/月

法定時間外労働 10時間

 

◆固定給の割増賃金

固定給与170,000円÷月平均所定労働時間170h×割増率1.25×時間外労働10h=12,500円

 

◆歩合給の割増賃金

歩合給30,000円 ÷ 総労働時間180h(170h+10h)×割増率0.25×時間外労働10h=417円

 

◆割増賃金額

固定給の割増賃金12,500円+歩合給の割増賃金417円=12,917円

 

POINT1:歩合給の割増計算に総労働時間を用いる点

 

この従業員は歩合給30,000円を得るためにトータル180時間を費やしたわけですから、所定労働時間170hではなく総労働時間180h(170h+10h)で割り算したという理解なのです。

 

POINT2:歩合給の割増率が125%でなく、25%になる点

 

「出来高払制等による場合、時間当たり賃金、すなわち1.0(100%)に該当する部分は、既に基礎となった賃金総額に含まれている」(昭23.11.25 基収第3052号)としたものがあり、この基準が定着しています。

総労働時間180hのうちには、10h法定時間外労働が含まれているので、当然そこには割増賃金を支払う必要があります。

ただし、POINT1の繰り返しになりますが、この従業員は歩合給30,000円を得るためにトータル180時間を費やしたのです。つまり割増賃金1.25倍のうち1.0倍の部分については、すでに「歩合給30,000円」に含まれて支払われていますね。従って割増単価0.25倍部分のみを割増賃金として支払えば良いという結論となります。

 

実務的にはどうするか

 

理論としては、すでに説明した通りです。

しかし、現実的にはどうでしょうか…(月平均)所定労働時間ではなく、総労働時間を使ってわざわざ割増賃金を手計算し続けるのは煩雑な作業です。ミスの原因にもなるでしょう。

実務上は、固定給と同様に所定労働時間を用いて割増単価を算出している事業所も多いです。これは従業員にとって有利な方法で計算していますから、問題ではありません。

 

クラウド給与計算システムではどうなるか

 

では、当社で導入支援に力を入れているクラウド給与計算システム3社では、どのように設定して給与計算するのが良いのでしょうか?

先ほど説明したとおり、【A】理論通り割増計算を分けて計算する場合と、【B】他の固定給と同様に割増計算する方法に分けて、具体的にご説明いたします。

 

【A】総労働時間を使って0.25倍で割増計算

①freee人事労務

固定給と歩合部分をそれぞれ違う計算式で残業計算するやり方には対応していません。

 

②マネーフォワードクラウド給与

比較的自由度が高く手当を作成できるクラウド給与計算システムではありますが、選択できる項目には限りがあるので歩合部分の残業計算式を自分で組むことができません。

歩合給 マネーフォワードクラウド給与 NG

 

③ジョブカン給与計算

マネーフォワードと同様に、自由に計算式を組んで手当を作成できますが、分子として選べる単価に限りがあるため歩合部分の残業計算式を自分で組むことができません。

歩合給 ジョブカンNG

 

3社とも共通の解決策としては、別途計算した結果を通常の時間外手当に足すか(給与計算画面で直接入力)、別途手当として付与するしかありません。

 

「汎用性の高いシステムを廉価に調達できる」というのがクラウド商品の大きな特徴でありウリですから、対象者が少ない細かな部分への対応はある程度割り切って運用方法を変えるという必要も出てきます。システムに人間が合わせるというのが、効率化への一番の近道です。

 

【B】他の固定給と同様、所定労働時間を用いて割増計算

歩合の手当を作成する際に「割増基礎に含める」となるように気を付けて設定し、運用します。3社とも同じようなチェックボックスがありますので実際の画面をお見せします。

 

①freee人事労務

メニュー[設定]>[手当・控除設定]>[+手当の新規作成]をクリック

歩合給 freee人事労務

②マネーフォワードクラウド給与

基本設定>支給項目

歩合給 マネーフォワードクラウド給与

 

③ジョブカン給与計算

まず手当を追加します。

設定>該当の給与規定グループ>支給・控除項目一覧>支給・控除項目 追加登録

歩合給 ジョブカン

 

次に割増基礎の計算を編集します。

設定>給与規定グループ>支給・控除項目一覧>単価一覧>単価編集

 

・・・

 

 

以上の内容を、こちらの動画でもご説明しています。

実際の画面も映しておりますので、ぜひご覧ください。

★労務担当者と社労士を繋ぐ検索サイト【社労士STATION】もぜひご活用ください★

社労士STATIONは、士業事務所の方にとってはさらに事務所を周知させる絶好のチャンスの場です!

ぜひこの機会に事務所登録をしてこの場をご活用いただけたらと思います!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

★クラウドステーションよりお知らせ★

◆神楽坂駅徒歩すぐ!CLOUD STATIONでは、各種人事労務システムを展示しています。実際に操作頂きながら、

専門のスタッフに運用についてご相談いただくことも可能です。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、完全予約制としております。

完全無料のオンライン相談もお受けしております。

【相談内容の一例】

・クラウド化を進めたいが、どのサービスを選ぶのがよいか分からない/迷っている

・自社独自の勤怠管理システムを利用しているがメンテナンスをする時間がない

・担当者が退職してしまったなど、クラウド化を進めたいがうまく移行できるか不安がある

・クラウド化すると、どれくらい費用がかかるのか知りたい

◎クラウドステーション メルマガ登録フォームはこちら▼

内容は・・・・

・新着YouTube情報

・『今月の杉ちゃん』セミナー登壇情報

・注目のセミナー

・メンバー不定期観察日記

など!!

必要事項をご入力の上、送信ボタンを押してください。
送信頻度は月1回を予定しております。

 

カテゴリー

タグ

最近の投稿

月別アーカイブ